2015-01-22から1日間の記事一覧

翻訳文の場合には「照合できる」というメリットがある

訳文にしたがって副文の独立化を試みたわけであるが、いかにも無骨な文章になっていることは認めざるをえない。ただ、資本主義についてのどのような認識から、もとの文章が構成されていたのかという点だけは明確にしえたかもしれない。認識を構成する諸要素…

悪文に対する対処法

中止法で書かれた文のほとんどは、より短い文に分解することができる。そして分解・独立させた文の方が、一般的に言って、理解しやすくなることは明白であろう。さて、中止法によって文を分解・独立させた場合、独立させられた文と、もとの文との関係をはっ…

メタ文としての論理関係明示子

メタ文について説明するためには、最初に対象文について説明しておかねばならない。対象文とは、世界―この言葉で何か考えられてもよい―内のもろもろの対象について述べる文のことである。たとえば、「このボールペンは書きやすい。」とか「この消しゴムはだ…

モルヒネの副作用の対処

モルヒネによる癌疼痛のコントロールと同様に,その副作用にも注意を払って対処していかなければならない。モルヒネが引き起こす様々な副作用に対しては有効な対処方法が各専門書に具体的に記載されているが、特に下記の副作用に対してはモルヒネとの関わり…

モルヒネが有効な痛み

Twycrossらは,癌における痛みについてオピオイド(モルヒネなど)との関係を次の4つに分類している。 ① オピオイドが無効な痛み ② オピオイドがある程度有効な痛み ③ オピオイドが有効な痛み ④ オピオイドが有効であるが,その使用が適切でない痛み ①は,…

WHO方式癌疼痛治療法

世界保健機関により癌疼痛救済計画が1986年から実施され,同時にWHO編集の(がんの痛みからの解放)が発刊された。 WHO方式癌疼痛治療法はこのWHO癌疼痛救済プログラムの中で,癌の予防,早期発見,治癒治療に次ぐ第四の癌対策として策定されたもので…

絨毛性疾患:全胞状奇胎と部分胞状奇胎

絨毛性疾患とは、胞状奇胎、絨毛癌および存続絨毛症の総称である。 したがって、これには部分胞状奇胎のように予後のよるものと、予後の悪い絨毛癌が含まれることになる。 最近では出生率の低下にともなって、絨毛性疾患の罹患率も低下傾向にある。これに加…

卵巣がんの早期発見:嚢胞性腫瘍と充実性腫瘍

卵巣はもともと、3~4cm径、5g程度のものであり、これが、がん化してテュスボール大くらいになっても、自覚症状はないのが普通である。しかし、発生したがんが、カプセルに被われたままでいればよいが、もし外向性に発育したとすれば、この程度の大きさで…

卵巣癌の罹患率と死亡率:進行度と死亡率の関係

卵巣がんは、子宮頸がんや子宮体がんなどにくらべて、予後が不良である。 手術によってがん病巣が完全に取り切れたものの予後は決して不良ではない。しかし、残念ながら、このようなものは全体の25%にも達しない。 したがって、冒頭の言葉を正しく言い直せ…

子宮体癌の補助化学療法、寛解導入療法

1.子宮体癌の臨床進行期分類 頸癌と同様体癌に関しても、臨床進行期分類は治療法の決定に際し最も基本となるものであり、日本産科婦人科学会では国際的にも通用する基準としてFIGOによる国際臨床進行期分類を採用している。 2.子宮体癌に対する薬物療法 体…

子宮頸がんの寛解導入療法群:CPAは幅広い抗腫瘍スペクトラムを有し副作用も比較的軽微

手術および放射線療法はあくまでも局所療法(病巣が一部に限局している症例に適応)であり、すでに遠隔転移を示すⅣh期のような進行症例や再発症例には十分な治療効果は期待できない。このような全身疾患の状態を呈する進行・再発症例に対しては全身療法と七…

子宮頸癌の臨床病期分類と補助化学療法

1.子宮頸癌の臨床進行期分類 癌の治療成績の向上のためには、治療法と治療成績の各施設間の正確な対比が必要である。そのためには、その癌の診断、分類その他の取り扱いなど八共通の基盤に立って卜ることが前提となる。 臨床進行期分類は治療法の決定に際し…

子宮(頸・体)癌細胞の細胞回転と抗癌剤の作用点

子宮癌は子宮に原発する上皮性悪性腫瘍で,本邦における婦人科悪性腫瘍のうち約90%を占めている。解剖学的に子宮頸部に発生する子宮頸癌と,子宮体部に発生する子宮体癌に分類される。本邦における両者の発生頻度の比率は,子宮頸癌の方が高く約90%を占め…

胆道癌の各種治療法

(1)臨床所見と診断 肝外胆管癌と胆嚢癌があるが、症状としては黄疸が特徴的であり、特に胆管癌では初発症状となりやすい。他に鈍痛、食欲不振などがある。胆嚢癌では胆石を合併することが多く、胆石発作で発見されることもある。胆嚢炎、胆管炎の合併があ…

転移性肝癌の原発巣と治療

(1)原発巣 日本病理剖検輯報 による転移性肝癌の原発巣(肝原発および造血系腫瘍は除く)。各臓器の肝転移率は胆嚢、肝外胆管、大腸、膵臓がやや高頻度である。転移性肝癌の原発巣は肺、胃、膵臓、大腸の順に多い。 肝転移による症状は末期まであまり無い…

原発性肝癌の診断・治療法:エタノール局注療法、肝動脈塞栓化学療法など

(1)臨床所見と診断 原発性肝癌の約90%が肝細胞癌であり、残りの10%が胆管細胞癌・その他である。ここでは肝細胞癌(以下肝癌)に対する治療について述べる。肝癌の基礎疾患として約90%に肝硬変(一部慢性肝炎)を伴っており、これらの慢性肝疾患の綿密…

膵癌の化学療法:適応、単剤投与、多剤併用

膵癌はきわめて予後の悪い腫瘍の一つである。 膵癌非切除例の5年生存率は3%以下で、50%生存期間は3ヵ月から6ヵ月であった。 US、 CT、 ERCP、血管造影など画像診断法が進歩し、切除できる膵癌が増えたが、多くは組織学的に進行癌で、切除できても再…

熱傷、火傷の治療:局所療法、全身療法、補液法

〔治療〕 1)局所療法:①流水でどんどん冷やし〔30~60分〕、あるいは氷嚢で冷やし、清潔な布で包んで医師へ。②ヒビテン水・イソジン液などで消毒、異物除去。③水疱が大なら内容吸引または水疱を剪去。④痂皮・血痂・膿苔で不潔ならばリバノール亜鉛華軟膏・…

肢端紫藍症、女子下腿うっ血紅斑、皮膚紅痛症、高血圧性潰瘍、ライル死指

1 肢端紫藍症acrocyanosis (acroasphyxia) 若い女性の四肢末端、ときには耳朶・鼻尖・殿・乳房が、寒冷によって、紫藍色を呈し、まれに壊死に至る。ときに蟻走感あるいは疼痛を、しばしば多汗症を伴う。思春期すぎに自然治癒が多い。低温に対する末梢皮膚血…

遺伝子汚染

遺伝子組み換え作物の適用は将来の問題である。自然の力に支配される性格の強い農業技術のうえでは経験が大きな役割を持っている。しかし遺伝子組み換え作物栽培は経験というものがほとんどないハンディを持っている。したがって、あらゆる段階において、技…

遺伝子組み換え作物農法のシステム

現在の段階の遺伝子組み換え作物農法は、目的の作物の収量の確保に重点がおかれるから、従来の効率優先のシステムの延長線上にある。そこでは農耕地のトータルな安全、安定は軽視される。 (1)野生生物に対する脅威 農耕地は半自然とはいえ、いまなお、作物…

doで「調子」を表現する

英語のあいさつで、How are you?はもっとも一般的なものであるが、もう少しcolloquial(口語的)になると、How are you doing? となる。 英英辞典ではこの意味のdoを、to perform or advance successfully or unsuccessfully (成功裡にあるいは不成功裡に…

「すみません」の三つの英語表現

日本語を勉強し始める外国人は最初、日本語の「すみません」は翻訳すれば、I’m sorry. というのだろうと思う。つまり、「すみません」は謝罪の表現だと思うわけである。 しかし、「すみません」の使い方を観察すると、どうも「謝罪」だけではないことが明ら…

世界最初のX線写真はレントゲンの妻の手

一八九五年一一月八日、すっかり陽が暮れた研究室で、クルックス管という真空管の研究をしていたドイツの物理学教授ヴィルヘルム・コンラート・レントゲソは、明りを付げるのも忘れて実験に没頭していた。 そのとき、奇妙なことがおこった。クルックス管に電…

何でも翻訳できるわけではない

自然科学の教授があるとき、このごろの学生は外国文献が読めなくなって困っている、語学の責任だけとは言わないが、語学はもっとしっかりしてくれなくてはいけないと、当の語学の教師の前でのべたことがある。いまの学生に語学力があるとは言わないが、でき…

多文化共生社会では言語サービスの充実が必要不可欠

日本に在住する在住する外国人の数は200万人以上で総人口の1.5%に達したといいます。これらの外国人が日本で快適に生活を送るためには彼らが居住する自治体から十分な翻訳サービスの提供を受ける必要があります。実際、彼らは身近なレベルでの情報を必要と…

心血管イベントに対するACE阻害薬とカルシウム拮抗薬の組み合わせ

医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に報告された研究成果によると、アメリカ、ミシガン大学のケニス・ジャーマーソン博士らは、ACE阻害薬とカルシウム拮抗薬の組み合わせによる治療のほうが、ACE阻害薬と利尿薬の利尿薬の治療よ…

女性の性器反応(興奮度)を測定するフォトプレスチモグラフでわかったこと

男性は大抵、特に若いころに、不適切な場面で勃起してしまう困ったという体験を数多くしています。あるスラング辞典はbone of contension(争いの種)という言葉を「オリンピックのビーチバレーを妻と見ているときの喧嘩のもととなる勃起」と定義します。ずい…

シリコン製ニューロンで記憶障害が回復

老化とともにゆっくりと進む記憶の喪失も厄介ですが、アルツハイマー病にかかるとそれとは比べものにならないほど大変です。神経インプラントは感覚機能や運動機能に関わるものですが、高次の思考プロセスにおける認知能力の欠損を修復する研究に携わってい…

インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬やGLP-1アナログ製剤など)

インクレチン関連薬。血糖値を下げる効果が高い一方、低血糖のリスクが少ないとして、今、全国の糖尿病治療の現場に広がっている薬ですので、名前を聞いたことのある人も多いでしょう。2009年11月に、国内初のインクレチン薬「シタギルプチン(商品名):ジャ…