ステップノウハウ再点検

 

 映画の内容の聞き取り、書き取りを行う

 

 字幕のない映画(もちろん英語で話されているもので、曰常的で現代的な内容のものがいい)のビデオを選んで、そのすべてのセリフの聞き取り、書き取りを行う。書き取れたら、それを大きな声で朗読し、わからない単語は茱萸辞典で調べる。このプロセスをくり返すことで、映画のセリフや内容がほとんど無理なく耳に入ってくるようになり、やがて意味も全部理解できるようになる。

 

 教材として映画を選ぶのは、そこにもっとも自然で、いちばん現実の生活に近い「生きだ英語」が再現されているからである。その生きか英語の習得を通じて、英語を話す人たちの生活、心理、思考、感情なども理解でき、またそれらを体得できるようになる。映画には、それがつくられた国に暮らす人たちの曰常生活の姿がより具体的に反映されている。その具体的な事実を知ることで、彼らの「文化の普遍性」にまで理解を届かせるのである。

 

言語の習得には文化の理解が不可欠

 

 文化の理解と言語の理解は密接不可分のものである。ある国の言葉には、その国の文化や国民性などが溶け込んでいる。したがって言葉を通じて文化が理解できるし、文化を知ることで言葉もより上達していくのだ。その国の文化のおり方や特徴、自分の国の文化との違いなごについての理解が深まれば深まるほど言語学力も向上していく。言語の習得には文化の理解が必要不可欠なゆえんである。また、ある国の映画を  翻訳を通じてではなく  その国の言葉で見ることの大切さもそこにある。

 

3 テレビ番組を教材に使ってもいい

 

日常生活を舞台にしたシリーズもののホームドラマで、彼らのふだんの生活や会話を勉強するのもいいし、トークショーや討論番組で、自分の意見や主張を上手に表現する方法を学ぶのもいい。また可能なら、アメリカのテレビ番組の一日分を手に入れて、それを通して見てみるのもきわめて有効である。とくにコマーシャルやお笑い番組は役に立つはずである。この段階までくると、二ユースを見れば時事英語に強くなり、法廷映画を見れば論理的なディベートに適した英語に強くなるといったように、英語力が自分でも信じられないくらいのスピードで自己発展していく。

 

4 自動貯蔵と感情移入で英語が第二母国語になる

 

 この段階をこなしていると、英語のコピー能力が自然に身についてくるのに気づくはずである。つまり、しゃべっている相手が早口なら自分も早口に、相手がゆっくりなら自分もゆっくりになるという、同調現象が知らす知らすのうちに起こるのである。この英語の「自動貯蔵能力」は話し方だけではなく、語彙や表現の仕方、文章のパターンなど英語力の水準そのものまで及ぶ。つまり、話し相手や映画の登場人物が話す英語の理解や両生が自在に行えるようになる。言語習慣までが自分に移転してしまうのである。

 

 また言葉の完全な理解を通して、映画の登場人物に対して、たやすく感情移入できるようにもなる。彼が笑えば、あなたも楽しい気持ちになるし、彼が腹を立てれば、あなたも思わず「ちくしよう」などと口走るようになるのだ。それだけではなく、そういうときの表情やしぐさまでが頭に浮かぶようになり、ときには、それを知らないうちに自分で再現していることもある。つまり言葉と感情が一致するのだ。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より