日本人ポスドクの英語力

 

  「アメリカにきて、日本人の英語が世界で飛び抜けてダメだと感じています。他の国からきているポスドクはみんな英語がうまい。うまくない人でも必要なことはす分伝えて
いるし、十分理解できている。ダメなのは日本人だけです。アメリカにくれば何とかなるという話も日本にはあるけど、それはウソです。アメリ力にきてからではゼッタイ遅い
。英語がわからないと、貴重な情報が吸収できずに、目の前をどんどん流れていって消えてしまう 英語がわからないために日本人が損してることがすごくあります。だから、
絶対、絶対、絶対、ホントーに絶対、英会話をマスターしてくるべきです」

    日本人、在米12年、癌の分子生物学農学部出身、4ワ箴男性‥

あの白楽ロックビルですよね

  お訪ねしたところは、NIH37号館|階1 E 24室である、37号館は癌研究の拠点実験棟である。 1 E24室の入口には受付があって秘書がいた。それまで、机の上に実験器具
が所狭しと乱雑においてある実験室ばかり見てきたものだから、戸口で秘書に訪問の意を伝えたとき、 、「偉い人とお会いするのだ」、という心構えになった。なにせ、オフ
ィスにはふかふかのジュータンも敷いてある。 トール・ミ牛は黄色いTシャツをサッパリと着こなした、少しスリムで小柄な人であった脂ぎるとか、エネルギッシュとか、早
口とかとは対極の人であった。お会いした最初に、はにかみながら、[先生はr蛋白質核酸酵素]に記事3)をお書きになったあの白楽ロックビルですよね]、と先制ジャブがと
んできた。マイッタ、マイッタ。素性がバレでいるらしい。素性がバレでいると、どうも質問しにくい。

研究室のトール・ミキ博士

英語がヘタなのも、小学校のとき木から落ちて足を骨折したことも、マンションのロ一ンが3243万円残ってることも、お尻にアザがあるのも、みんなバレてるかもしれない。

 『日本からr蛋白質核酸酵素』の記事をコピーして送ってもらって愛読していました」とおっしゃる。「特にスタディセクション(研究費の審査)の部分はとてもいいですね。
アメリカでの研究費の配分システムを詳しく知っている人は、アメリカ人研究者のなかにもそう多くはいません。アメリカで研究費の配分がちゃんと審査されていることを日本
人は全然知らないですね」

  、「愛読」とか[いい]というホメ言葉は、耳にタコができるほど聞いているので、トーゼン、常識、当たり前、のこと……では全くない。生まれてこのかた、マズ、他人
にホメられたことがない。いまでも、「クダラナイことを書いて、何をバカなことをやってんだ。お前は昔からノン牛で気楽だよ」、としか鉋われない。だから、ホメられると
気持ちが舞い上がって、そうでなくてもいい加減な質問が一層いい加減になってしまう。注意:動物にエサを与えないでください。

不肖ハクラク著より