アメリカの評価は、結構妥当だと思うネ

 

 「ニューヨークはワシントンに近いからこっちにおいでよ。ボクがワシントンD.C.に行く機会はないんだ。ワシントンDCからならバスや電車で結構便利だよ。安いし。クルマは駐車に困ったりでそれほど便利じゃない。なに奥さんとー緒?それならクルマの方が安いかな。8月末まではグラント書きがあって忙しいんだ 9月と10月は少しゆっくりしたいと思っているよ。こっちに出かけてきなヨ」

 「日本にいたときは、日本の科学がアメリカで不当に低く評価されていると思ったこともあっだけど、こちらにいるとそうは思わないね。もちろん不当に低く評価されていると思う大もいるよ。アメリカ人の中にも不当に低く評価されていると思っている人がいるよ。評価ウンメンは日本人だからというわけじゃないネ。こちらの評価は、結構妥当だと思うネ。利根川さんがノーベル賞をもらったのも妥当だと思うよ」

    「ボクがアメリカに留学したとき、前後してアメリカに留学した相沢君(現帝京大学)やOO君は、一生アメリカで頑張るような話だったよ。ボクはその気がなかったんだけど、気がついたら、連中は日本に帰ってしよって、ボクだけアメリカに取り残された気がしたよ」

 「親父は日本に帰ってこいと言ってるよ。フ年前に脳卒中で倒れたときはどうなるかと思ったら、3年後に回復したよ。両親は妹夫婦に預けているんだ。親父はサラリーマンで、子孫が継ぐべき家名や土地はないんだけど、ボクは一人息子でしよ、富山県という地方出身だから、一男一女の男の方に家を継がせがたってるネ。そういう意味ではボクは悪い息子なんだよ。大学院も東大と名大の両方に受かったとき、親父が「東大に行け」と強くいうんだ。それまですっと親元にいたし、家を飛び出したかったか叺若気の至りもあって、親父に反発して、名大に行ったんだよ。今でもそういう人間のしがらみがイヤなんだ。悪い息子だと思ってるよ。両親を妹に押しつけちゃってるんだ]

 「娘はもう別の人生だよ。子供として育てているときは、人生を共有していておもしろかっだけど、もう自分でやれるし、親が口を出すべきではないと思ってるね」「ボクの名大・大学院のころの仲間が、まだ結構アメリカにいるよ。関君がコロンビア大学、玉野井君がカリフォルニア大学、松村君がニュージャージーのラト力一ス大学、石原君がチャペルヒルのノースカロライナ大学にいるよ。石原君はイギリス人と結婚してお子さんもいる」

 「貧乏症だから、土、日のうち1日はたいてい実験室で仕事してるよ 研究室のみんなが來ているわけではないけど。ボクが一番よく働いているわけでもないネ。このごろは、毎週末に無料コンサートに行ってるネ。特に音楽が好きというわけではないけど、雰囲気がいいんだ 夕方、木陰に人々が集よって楽しんでいるんだ。オニギUほおばっで本を読んだりしているんだよ」