キーワードから論文をさがす

 

最後に第4の情報として,パーミュターム・サブジェクト・インデックス(PS I = Perm凵term Subject Index)を述べよう,これは’97年12月号では6分冊のうち「IE」,冂卜」の2分冊で,2冊合わせて2539頁からなる.なお,permし」↑ermを英和辞典で引いても載っていないpermutermという単語は,"permuted term (変換された用語)”を短縮した造語なのである.パーミュターム・サブジェクト・インデックス(PSI = Permuterm SubjectIndex)では,論文のタイトルに使っているキーワード(用語)ごとに論文の第1著者をリストしてある.つまり牛一ワードから本物の論文を引き当てようという道具である 逆にいえば,論文をキーワードごとに分類したともいえる.工夫かもしれない.

 

  先に登場してもらった筑波大学の「A旧AK」氏の論文のタイトルの中に細胞融合(C匚LレFUSION)という単語があるので,細胞融合(CELL手US10N)で探ってみた.パーミュターム・サブジェクト・インデックス(PSI = PermutermSしjbjec口口dex)の358頁を見ると,キーワードがアルファベット順に「CELし卜日ED,「CELレトREE EX丁日∧CTS」,「CELレドUNCTION」,「CELL-FUS10N」,

 

  「CELレGROWTH」と延々と並んでいる.その「CELレFUSION」つまり細胞融合の項目に「A旧AK」とあった(付録表5).

 

言語は「英語(English)」,引用文献数は[34報],被引用回数は「0回」とあることだ.特に被引用回数のデータがあるのがウUなのである.ただ,「A旧AI<」氏のこの論文は被引用回数O回である.この論文は’97年2月に出版され,このデータベースは’97年初夏更新のデータだから,被引用回数がO回でも当然といえば当然である.2年ぐらいしてみれば10~50回ぐらい(2回かもしれないけど,1000回かもしれない)引用されているだろう.

 

 なお,「バイオ」系の主要なデータベースをまとめて表にした(付録表6).表にしたので全部説明しないけど,研究テーマや著者などから論文を検索する「ベンリ」さでは『メドライン(Medline)」がイチオシである,『メドライン(Medline)』というより『パプメド(PubMed)』といったほうがいいかもしれない.とにかく何でいったって,「無料」なのがうれしいノ9フ年夏,アメリカ副大統領ゴアの肝いりで,『パブメド』へのアクセスが無料になったのだ(囲み記事⑩参照, pill). NIHに帯在していた不肖・ハクラクは,アメリカの精神にとても感動したものである.

 

 「アメリ力国民の税金を使って収集した生物医学情報である「パブメド」を,アメリカ国民が誰でも無料で使えることで,アメIリカ国民の健康の増進に役立てたい.モンタナの山奥でも,ネバダの砂漠でも,辺境の田舎医師でも,いかなる個人でも,キーボードを叩くだけで,最新の医学情報が得られる.どんな珍しい病気でも,その研究の現状や治療法がすぐわかる」,という精神文化である.この精神文化は,なんでも金を取ろうとするどこかの国の精神文化とは工うイい

である.そして,そのどこかの国の大学院生一研究者も,ゴア副大統領のお陰で,自由に,無料で『パブメド』にアクセスできる.ウェブサイトは,h↑tp://www.ncbi.「11m.nih.gov/P凵bMed/である.そして,日本語版のht↑p://www.healthy.pair.com/もある.日本の「バイオ」研究者の95%以上は使っていると思うが,よだの人は,ドウゾ.これでアナタも世界の最先端バイオ研究者の仲間入り.

 

 ただ,この『パブメド』には被引用回数のデータは載っていない.被引川回数のデータをインターネットで入手するには,有料の[Web囗f Sciei]ce.lか『ScSSearch』しかない.ただし,『Web of Science』は個人でどうのこサ]jのというデータベースではない.値段を問い合わせてみた引数年分のデータペースで2000~3000万円もするのである.所属機関の偉い人や図書館員に目先の利く人がいて,すでに『Web o↑Science』が導入してあれば,キミはハッピーである.所属機関が導入していれば,キミは自由に使える.導入していなければ,当然ながら,キミは使えない.ただ,『SciSearch』は,多くの研究者が使えるハズの学術情報センターからもアクセスできるらしい.不肖・ハクラク,試していないけど,使用可能なデータベースのリストに載っている.

 

 なお,不肖・ハクラク,科学情報研究所(ISI社)のイイジマ・サナエ様のご好意で, '98年秋に『Web o↑Science』の体験セミナーを無料で受講させてもらった.使い勝手はとてもよかった.