研究論文がどう評価されたのかを計る指標の1二)に,該当の論文が他の論文の引用欄(Refere冂ces, Bibliographies, Footnotes)に何回引用(Citation)されたかで計る方法がある.アメリカの民間研究所である科学情報研究所(ISIこInstitu↑e for Scientific Information)が, 1963年以来この調査を行ない,データベース化している.その結果を2ヵ月に一度,つまり年6回,1回6分冊の分厚い本O冊の厚さが6cmもあったゾ)にして出版している.本だけでな89年からマイクロフィッシュ版尸94年から97年からついにインターネットによるウェブ版『Web of Science』(http://wwwisinet.com/produc↑s/citation/wos.html)が登場した.

 

 これらの情報を読みとるのは大切だけど,100%使いこなすのは楽ではない.なにせ,その扱う情報量は’96年に出版されたものだけで,ジャーナル数は3381種類3万1809冊.論文数は73万123報 調べた著者数は延べ273万8381名調べた被引用論文数は延べ1570万6040報.分類した研究機関部局数は124万9586部局 マー,膨大な数である.

 

  淅っておくが,これは’96年の1年間だけのデータである.いよまでの歴史上のすべてを集積した数ではない.だから1年を365囗として,1日24時間,1時間60分だから,昼夜なく,日祝日なく,1分間に1.4報の割合で論文が出版されていることになる.

 

 この「サイエンス・サイテーション・インデックス(SCI二Science CitatiorIndex)』が対象にした論文数は全世界の90%をカバーしていると書いてある1しかし,世界には英語以外の論文も多いから囗まんとうはそんなにカバーできないハズだ.そうはいっでも『Science』をパラパラ見ているだけで1日はアッという問にすぎてしまう.とりあえずおいしいエッセンスだけ,お教えしましょう.

 

②各所属機関・部局ごとに誰がどんな論文を書いたか

 

 『サイエンス・サイテーション・インデックス』は大きくいって4つの情報からできている.

 

 第1の情報は,コ一ポレイト・インデックス(Cor叩「ate Index」と呼ばれ,いわば各所属機関・部局ごとに,2ヵ月回に誰がどんな論文を書いたかという情報である.ソース・インデックス「Soし」(ce Index)と書かれた分冊中に収められている/9フ年卜2月号では分冊「1[⊃]で1561頁ある.コーポレイト・インデックス(Corpora↑e Index)は,地理的分類(Geographical Section)と研究機関の分類(Organiza↑ion Section)の2つに分かれている.地理的分類(Geographical Section)の|ぼうが重要である. 442頁分を占めている.この地理的分類では,論文の箘1著者(Primary Author:論文の著者が2人以上のときの最初の著者.1人のときはその人)の所属機関が国別にアルファベット順に並んでいる.例えば,筑波大学一生物科学系から出た論文を探すとしよう.スミマセン,筑波大学を選んでしまって.昔,在籍していかちんですから,親しみを感じてしまいよした.ツイ,できごころです.筑波大学は日本にあるから,日本という意味の英語であるJapan, Jの瑣の日本(JAPAN)を見る.日本(JAPAN)は319~356頁の38頁分を占めている.日本(JAPAN)が見つかれば,その下に都市名がアルファベット順に並んでいるので,つくぱ市(TSUKUBA)を探す.つくば市が見つかれば,つくば市にあるいろいろな研究所や大学がアルファベット順に並んでいるので,ズッーと見ていくと,筑波大学(UNIV TSUKUBA)が見つかってくるバヨ52頁にあった.今度は筑波大学(UNIV TSUKUBA)の中の部局がアルファペット順に並んでいるので,ズッーズッーと見ていくと,生物科学系(INST日10L SCI)が,ありました.この部局まで見つかれば,そこに筑波大学・生物科学系が,期出版した全論文が第1著者の姓のアルファベット順にリストされているというわけだ,ヤレヤレ.

 

 リストを具体的に見てみよう(付録表1).1行目の情報から,アイバ(A旧AK)という名前の人が第1著者として「J BIOCHEM」の’97年121巻238頁に論文を出版したことがわかる.2行目からは,ヂバ(CH旧AC)という名前の人が第録表3).「A旧AK」氏はこの調査期間中に論文を1つだけ書いていて,共著者はファン,ヤマカック,タナカ,ウルシハさんの4人である.論文のタイトルは「ISOFORMS OF GP1 38. A CELL-FUSION R[匚ATE口戸日OTEIN IN口ICTYOST匚凵UM一口ISCOIDEUM]であるISIのジャーナル番号(Jou「口日IAccession Number」がWH621.ジャーナル名は,「J BIOCHEM」で,その121巻(2号),238頁から243頁まで,出版年は’97年である「34日」とあるからこの論文が引用している論文数は34報であることがわかる.所属機関は「UNIV TSUKUBA」,部局は「INST BIOL SCI」,都市が「TSUKUBA」,国が「JAPAN」と書いてある.ソース・インデックス(Source Index)から,こういう情報が一網打尽で見つかってくるのである.

 

 もし探している著者が第2著者以下だったら,第1著者のところを見るようにと書いてある 具体例は,同じ表(付録表3)の「A旧AI《」氏の次の「A旧AM」氏である.この場合,「IDE M」氏の「Cancer '97年フ9巻558賁」を見よとある.だから,もし探していた著者が[A旧AM]氏であったら,その著者の書いた論文の第1著者は「|囗EM」氏ということがわかる.そして,その論文の跼=誌情報を見つけるには,「旧EM」氏の項目を探すのである.