マイクロソフトが独自の翻訳アプリを発表

 

 

マイクロソフトは現在、様々な機器で利用できる独自の翻訳アプリを提供しています。

木曜日に発表されたMicrosoft Translatorは、iOSとアンドロイドのユーザー向けのソフトウェア大企業によってデザインされた新アプリです。このアプリは携帯可能なモバイルソフトウェアへのGoogleの適応、 つまりAndroid Wear を備えたスマートウォッチや、Apple Watch 、電話、タブレットをサポートします。

翻訳してもらいたい言葉やフレーズを入力したり話したりすれば、スクリーン上で訳文テキストを見ることができます。また、他のアプリとの間で、訳文をコピーや貼り付けたりすることが可能です。現時点でMicrosoft Translatorは、英語や中国語、フランス語、イタリア語、日本語、スペイン語、ロシア語などの50の異なる言語をサポートしています。

マイクロソフトは既に、Bingウエブサイトと、Windows phoneモバイルシステム、およびそのWindows 10 デスクトップソフトウェアのアプリを通して言語翻訳サービスを提供しています。また、Skypeアプリの一部であるSkype Translatorプログラムを通しても翻訳を提供しています。しかし、これはマイクロソフトにとって、iOSやアンドロイドモバイル機器、スマートウォッチの翻訳アプリへの初の進出です。

 

新しいアプリとともに、マイクロソフトはグーグルのテリトリーへと進出しています。グーグルはwebでの翻訳サービスを長年提供してきた検索大手です。 グーグルの翻訳アプリは、2つの側面でより進んでいます。モバイル機器のカメラを本や他の対象物に向けて指させば、テキストが自動的に選択言語へと翻訳されます。グーグルの翻訳アプリは、テキストベースの翻訳で90言語をサポートしています。グーグルはAndroid Wear スマートウォッチへのアプリに参入していないため、その点ではマイクロソフトにチャンスがあります。

ステップノウハウ再点検

 

 映画の内容の聞き取り、書き取りを行う

 

 字幕のない映画(もちろん英語で話されているもので、曰常的で現代的な内容のものがいい)のビデオを選んで、そのすべてのセリフの聞き取り、書き取りを行う。書き取れたら、それを大きな声で朗読し、わからない単語は茱萸辞典で調べる。このプロセスをくり返すことで、映画のセリフや内容がほとんど無理なく耳に入ってくるようになり、やがて意味も全部理解できるようになる。

 

 教材として映画を選ぶのは、そこにもっとも自然で、いちばん現実の生活に近い「生きだ英語」が再現されているからである。その生きか英語の習得を通じて、英語を話す人たちの生活、心理、思考、感情なども理解でき、またそれらを体得できるようになる。映画には、それがつくられた国に暮らす人たちの曰常生活の姿がより具体的に反映されている。その具体的な事実を知ることで、彼らの「文化の普遍性」にまで理解を届かせるのである。

 

言語の習得には文化の理解が不可欠

 

 文化の理解と言語の理解は密接不可分のものである。ある国の言葉には、その国の文化や国民性などが溶け込んでいる。したがって言葉を通じて文化が理解できるし、文化を知ることで言葉もより上達していくのだ。その国の文化のおり方や特徴、自分の国の文化との違いなごについての理解が深まれば深まるほど言語学力も向上していく。言語の習得には文化の理解が必要不可欠なゆえんである。また、ある国の映画を  翻訳を通じてではなく  その国の言葉で見ることの大切さもそこにある。

 

3 テレビ番組を教材に使ってもいい

 

日常生活を舞台にしたシリーズもののホームドラマで、彼らのふだんの生活や会話を勉強するのもいいし、トークショーや討論番組で、自分の意見や主張を上手に表現する方法を学ぶのもいい。また可能なら、アメリカのテレビ番組の一日分を手に入れて、それを通して見てみるのもきわめて有効である。とくにコマーシャルやお笑い番組は役に立つはずである。この段階までくると、二ユースを見れば時事英語に強くなり、法廷映画を見れば論理的なディベートに適した英語に強くなるといったように、英語力が自分でも信じられないくらいのスピードで自己発展していく。

 

4 自動貯蔵と感情移入で英語が第二母国語になる

 

 この段階をこなしていると、英語のコピー能力が自然に身についてくるのに気づくはずである。つまり、しゃべっている相手が早口なら自分も早口に、相手がゆっくりなら自分もゆっくりになるという、同調現象が知らす知らすのうちに起こるのである。この英語の「自動貯蔵能力」は話し方だけではなく、語彙や表現の仕方、文章のパターンなど英語力の水準そのものまで及ぶ。つまり、話し相手や映画の登場人物が話す英語の理解や両生が自在に行えるようになる。言語習慣までが自分に移転してしまうのである。

 

 また言葉の完全な理解を通して、映画の登場人物に対して、たやすく感情移入できるようにもなる。彼が笑えば、あなたも楽しい気持ちになるし、彼が腹を立てれば、あなたも思わず「ちくしよう」などと口走るようになるのだ。それだけではなく、そういうときの表情やしぐさまでが頭に浮かぶようになり、ときには、それを知らないうちに自分で再現していることもある。つまり言葉と感情が一致するのだ。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より 

 

自尊心をもてば英語で堂々と話せる

 

 私が最初に、外国語で自分の意見を発表したのは留学中のセミナーの時間だった。その日のセミナーのテーマは「外国の社会文化事情」といったたぐいのものだったが、私はいつものとおり、学生たちの討論にもっぱら耳を傾けていた。他の韓国人留学生と同じように、私もセミナーの時間には黙って座っているほうがらくだったのだ。

 

 ところが突然、指導教授が「ちょっと東洋圈の話も聞いてみようか」と私を指名したのである。そのころの私のドイツ語の水準は、シュリーマン方式を改善した独白のノウハウのおかげでほとんど完璧になっていた。私はさはどの困難もなく、韓国の事例を整然と説明し、教授や学生からの質問にもスムーズに答えることができた。セミナーが終わるとあるドイツ大女子学生が近づいてきて、私にこういった。

 

 「あなたも他の韓国人学生と同じように、ドイツ語をよく話せないせいで、じっと黙っているのかと思ってたわ。ドイツでギムナジウムに通ってたの?」

 

 それ以来、私は積極的に発表することにした。彼女の「他の韓国人学生のように」という言葉が私の自尊心を傷つけたのだ。そして、韓国人のために外国語の習得ノウハウを開発することになったのも、この自尊心が糸口たった。自尊心をしっかりともつことが、外国語で自分の意見をきちんと述べることの土台にもなる。

 

 ある企業の語学研修で講師を務めていたアメリカ人は、この韓国人の自尊心を巧みに利用した。彼の担当科目は英語によるディスカッションだったが、授業ではいつも、韓国人や韓国社会に対して挑発的なことをいって生徒たちをけしかけていた。すると講師の話になかば本気で腹を立てた学生たちが次々に手をあげて、英語で反論を加えた。むろんそれが彼の戦略だったのである。

 

 「韓国人が積極的に英語を話すのは、酒が入ったときか、腹を立てたときだからね。ぼくは後者の方法をとったのさ」

 

 彼は笑いながら、そう打ち明けてくれたものである。これも韓国人が英語を話せるようになる一つの方法かもしれない。

 

 だが、私のノウハウはこれまで述べてきたようにもっと体系的なものであり、韓国人の自尊心も傷つけない方法である。第一ステップから第四ステップまで、何度も登場するメニューである「大きい声で朗読する」ことなどは、シュリーマンも行っている。しかし、私独自のノウハウもある。英英辞典で基本語彙と文章力を学ぶというのと、ビデオや英字新聞(第五ステップで紹介)を活用するというのがそれだ。

 

 それは、わが国の人たちが受けてきた、いまも受けている問違った語学教育を、一から正しい内容に組み替える作業でもある。y」の作業を終えてこそ、韓国人は英語を「生きた言語」として習得することができる。言語を「解釈」するとか「研究」するという行為は、ラテン語や他の古代語のような、現代ではすでに、死語となった言語にこそふさわしいものである。したがって「英文解釈」などという言葉が通用しているかぎり、韓国人が生きた英語を習得できる曰はまだ遠いといわざるをえないのだ。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より 

 

新聞から知的で幅広い英語力をゲット

 

 冬が深まり、経済だけではなく社会全体にも沈滞ムードが広まっていたある日、ひょっこりKが訪ねてきた。トレードマークである笑顔は消えて、何か事情のありそうな暗い表情を浮かべていた。はたして、彼女はこう囗を開いた。

 

 「私、会社をクビになりそうなんです。不況で業績が低下したから、結婚した人は退職してくれというんです。TOEICレベルAも役に立ちそうもありません。会社というものには正しいルールがないなんて知りませんでした。さほど能力もない男性が一家の主だからという理由で残るいっぽうで、能力もあり、まじめに働いてきた女性が旦那さんがいるからとリストラの憂き目にあうなんて」

 

 そうか、結婚早々職を失うのか。といって、クビになりたくないがために離婚するのではシャレにもならない。

 

 「噂には聞いてたが、キミがその当事者になるとはね……思っていたが、韓国企業の人事管理の水準はいいとこ三流だな。人材重視なんて口先だけだ。で、そのあと、どうするつもり?・」

 

 「しつけもう、辞職願は書いたんですが、この先のあてはありません。あれこれ考えてはみるんですが、自分にはこれといった技術も経験もないし、再就職はきびしいでしょうね。どうしたらいいと思います?」

 

 「英語で勝負してみたらどう?」

 

 「英語で? 翻訳のようなものですか?」

 

 「それもいいが、キミに翻訳の経験はないからな。やっぱり、まずは外資系の企業あたりへ就職するのが無難だろう」

 

 「それにしても簡単じやないでしょう。ずいぶん競争がはげしいんでしょう?」

 

 「でも、書類審査と英語での面接を重視する会社なら、勝算はあるはずだよ」

 

 「そうですね。トライしてみようかな」

 

 Kの顔にわずかに生気が戻ってきたので、私はさらにアドバイスを与えた。

 

 「じやあ、こうしたらいい。帰る途中でアメリカ文化院か大使館に寄って、オリジナルのアメリカの新聞を一部手に入れる。それを一か月間くらいずっと読み込んでみるんだ。一〇〇%採用されるはずだよ」

 

 「どうして新聞なんてすか。時事英語に慣れろということですか」

 

 そういう意味もあるが、現段階では、キミの英語は少し『軽い』はずだ。語彙も日常用語に偏っていると思う。だが語学面接の場合は、いくらか重みのある言葉づかいのほうがいい点数を取れるからね。新聞はそれを学ぶのにぴったりなんだ。難解な文章というのではなく、事実の伝達にふさわしいわかりやすい言葉を使いながら、適当に知的で落ち着いた表現が多い。それに、われわれの人生をすべてカバーするような幅広い分野の記事が載っている。とくに経済、社会、政治分野の語彙を覚えるのに、新聞ぽどよい教材はないよ」

 

 「わかりました。で、それをどう。料理”したらいいですか。やっぱり、いままでのノウハウの応用ですか」

 

 「そう。簡単だよ。まず社会面から短い記事を一つ選ぶ。読み終えるのに二分くらいかかる長さのものが適当だな。それをひととおり大きい声で朗読する。このときだれかに読み聞かせるようなつもりで読むのがいい。何度も読んでいるうちに、内容を自然に覚えてしまうはずだ。そうしたら、こんどは新聞を見ないで、やはりだれかに説明するようにして暗唱する。思い出せない部分はいったん適当な言葉で埋めて、とにかく最後まで読みつづけるようにする」

 

「書き取りのときに、わからない単語は適当なスペルで埋めて先へ進行のと同じですね」

 

「そう。それで読み終えたら、あとで、その思い出せない部分を記事で確認する。確認できたら、再び最初から読み直して、全体を流暢に話せるようになるまで、それをくり返す1以上を新聞のすべての記事について行うんだ。一日に四~五時間ずつ時問を割いたとして、一か月くらいで終わるはずだよ」

 

 「なるほど。その方法なら、ぽんとうの英語のベテランになれそうですね。新聞には社会のおりとあらゆる話題が詰よっていますから。でも、意味のわからない単語が出てきた場合、どう処理したらいいですか」

 

 「あ、それをいい忘れていたな。意味のわからない単語については、新聞一面分を終えるまでは、辞書を引かないのが原則だ。意味がわからないまま、ただ読むだけでいい。そして一面分を読み終えたら、その時点ではじめて単語の解明に入るようにする。方法は第三ステップと同じように、もちろん英英辞典を使って行う。つまり、意味のわからない単語は一面単位でまとめて解決していくわけだ」

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より 

 

第五ステップで完璧な英語がモノになる

 

 「この方法で新聞一部を全部読み終えることができたら、たいていの英語の本や刊行物も辞書なしですらすら読めるようになるよ」

 

 「先生、この方法をどうやって考え出したんですか」

 

 「考え出したというほどのものじゃない。最初はどちらかといえば思いつきに近いな。ドイツにいたころ、休みを利用してプレス作業のアルバイトをしたことがある。単純作業だから手と足は忙しいんだが、目と頭はヒマなので、作業中も雑誌をよく読んでいたんだ。それでどうせ読むならと、『シュピーゲル』という高度な内容の雑誌にチャレンジしてみた。そのドイツ語はほんとうにむずかしかったよ。それでも辞書をそばに置いて読むわけにもいかないだろう、とにかくわからないなりに読みつづけたよ。そうしたら辞書なしでも、わからない単語がいくつかあっても  記事内容によって時間の差はあったがi最後には、どの内容もほとんど理解できていることに気づいたんだ」

 

 「はい」

 

 「そうやって、最初のシュピーゲルを三週問で読み終えた。二日間の週末休みをはさんで、次の月曜日に二冊目のシュピゲールを習慣のように開いて読みはしめた。すると、また不思議なことが起こった。何度も読み返すまでもなく、記事の内容がたやすく理解できるじゃないか。おやっと思い、次の記事に移ったが、やはり同じだった。そのとき、このやり方は語学習得法としては、少なくとも読解力をつける方法としてはかなり有効なんじゃないかと思った。第一ステップから第四ステップまでは、この方法をリスニングに応用したものなのさ」

 

 「なるほどなあ。でも、どうして最初からむずかしい雑誌を読もうとしたんですか。私な

らやさしそうな女性誌なんかを選んだでしょうに」

 

 「最初はそう考えたよ。ところが、ドイツではそういう雑誌はたいてい薄っぺらで、記事もろくに載っていないんだ。結局はそれがさいわいしたんだな。休暇が終わって大学で講義を聞いたとき、教授の声がすんなり耳に入ってきて、その内容もじつにスムーズに理解できるんだ。その前の学期ではリスニングの力が足りなくて、講義内容を理解することより眠気を追い払うのに忙しかっだのに、だ。じつに不思議な経験だったな」

 

 「それは先生のように、もともと語学の才能がある人だけが体験できることで、そうじゃない人は、そう簡単にはいかないんじゃないでしょうか」

 

 「私に語学の才能があるって? それはないな。まったくないよ。他の人より語学が好き

だったとはいえるかもしれないがね。好きなぶん、関心も高く、集中もできただけさ」

 「そのとおりなんでしょうが、先生、ちょっと、カッコよすぎませんか」

 

 「はは。でも、ほんとうにそうなんだ。それは才能の問題じゃない。前に話しかとおり、たしかに語学の素質に個人差はあるが、それはたいした問題ではないんだ。やり方さえ間違えなければ、多少の時間の差があるだけで、最後に到達する水準はがれでも同じだよ」

 

 訪ねてきたときとは違い、Kは明るい顔で帰っていった。彼女の性格からいって、この最終段階もさっと最後までやり遂げるにちがいない。彼女がその高い英語力によって外資系の会社に再就職できれば、彼女をクビにした会社の人事管理がまったく誤っていることの証明にもなるわけである。

 

 さて、ここでKに教えた、いわば「外資系企業の語学面接にかならす合格する英語習得法」こそが、私のノウハウの最終段階である第五ステップなのである。それは、これまでの英語力のレベルを一段高めるステップであると同時に、すべてを総括する仕上げの段階でもある。

 

  これを終えることができれば、あなたの英語力は完璧になる。第四ステップまでで、英語を読み、書き、話す能力はほぼ完成の域に達しているが、新聞に掲載されている多種多様な内容の英語に接することで、さらに質を高め、量を増し、幅を広げることになるからである。新聞に掲載されている政治、経済、社会、文化、芸術、スポーツなど幅広い分野にわたる記事、論説やコラム、広告やマンガなどは、その日、その国に起こった多彩な出来事を、たしかな視点と文章によって表現している。

 

 それを言葉どおりにすべて読み込んでいくことで、多様で知的で高度で、かつ実用的な英語が自分の中に入力できる。そのため、私たちの脳の中で英語力が「自己発展」する度合いも飛躍的なものになる。いわば英語が語学としても、文化としても、教養としても身につくのである。この段階までいたれば、私のノウハウは完成する。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より 

 テープの書き取りをする

 

 私たちはだれでも、幼いころに書き取りをした経験があるが、それは、文字や文章をどれくらい間違えずに書けるかをテストするものであった。だが、ここで行う書き取りの目的はそれとはまったく異なっている。それは英語で話される文章に慣れるための買い取りにある。そのため、ここでは一つの文章を最小単位として書き取り作業を行う。けっして、単語を一つひとつ書き取っていき、その積み重ねて文章を完成させてはいけない。あくまで一つのセンテンス全体をひとつながりのものとして書き取るようにする。

 

 外国人と話をした場合、初めはいくらか聞き分けることができても、話が多少長くなると、もうついていけず、あとは聞き流しこしまったという経験のある人は少なくないだろう。ごく短い文章にしか慣れていないせいもあるが、これは、単語の一つひとつ(の意味に)に執着するクセを捨てきれないことが原因となっている。

 

 つまり、聞き取れなかった一つか二つの単語にこだわっているうちに、その文章全体の文意をつかみ損ねてしまったり、その実語の意味を考えているうちに、次に続く単語を聞き逃してしまつたりするからだ。

 

 しかし単語の意味が全部明確にならなくても、一つの文章の書き取りがスムーズにいけば、全体の意味は把握できるものだ。そうすればその文意に応じて、おのずと重要な単語とそうではない単語を自動的に区別して聞く能力が生じてくるものなのである。

 

 そのためにも、単語を一つずつ書き取ってから、そのうえで一つの文章を形成する方法をとってはいけない。とりあえず聞こえたとおりにIわからない部分はわからないなりにIワンセンテンスをざっと書き取る。次に、そのよく聞き取れなかった部分を確認するために再び聞き直すというやり方で、文章を完成させていくのである。

 

 ただし聞き直すときも、書き取ったものを見ながら聞いてはいけない。つねに耳に入ってくる音声だけを頼りに、聞き取れるまで何度でも聞き直し、不正確な部分を書き直していくこと。そうしないと、そのわからない部分の「意味」を考える落とし穴に、またはまってしまう。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より 

 

 

 

 

わからない単語は英英辞典で確認する

 

 英英辞典を使うのはもっぱらスペルの確認のためだ。正確に書き取つたうえに意味までわかればいいが、ここで重要なのは、それよりも発音とスペルを一致させることである。英英辞典を使つても正しいスペルがわからない場合は、テキストの助けを借りなければならないが、それはあくまでも最後の手段としてとっておくこと。そうでないと、自分がどんな発音に弱く、間違って聞き取っている単語は何かなど、自分の聞き取り能力の欠点や傾向について正しい認識ができなくなる。

 

 こうして英英辞典を引き、再びテープを聞くという過程をくり返すうちに、しだいに自分のヒアリングカの特徴がつかめてきて、同し間違いをすることも少なくなる。私たちにもっとも多い失敗、たとえば、Lと日の混同などもこうした過程を通じて正すことができるのだ。

 

3 始めから終わりまでを大きな声で、テープをまねしながら読む

 

 書き取った内容を最初から最後まで、自分の口で再生してみる。ここで大切なのは、「大きい圉」と「始めから終わりまで」だ。大きい声で読むのは、自分の話す英語に自分の耳を慣れさせること、さらに、あとで自分がしゃべったときにその英語の音声に驚かないようにするためだ。また始めから最後まで読み通すのは、通読の能力を身につけ、長く英語を話す能力を養うため。テープの発音を徹底的にまねする覚悟でやるべきで、そのためには音だけではなく、声質もまねする「声帯模写」の要領でやるのが効果的である。

 

4 英語に完全に囗が慣れたら終わる

 

 英語に口が慣れた、英語が口になじんだということは、舌が音を記憶して、発音に熟練したことを意味している。書き取ったものを見なくても、自然に、流暢に言葉分口から流れ出てくる。そういう状態になったら、その水準に達しかと考えていい。

 

 この場合、自分の読む声を録音して聞いてみると客観的な自己診断がしやすい。自分の声を録音で聞き直してみると、読んでいるときは正しく発音しているつもりでも、意外なくらいおかしな発音、間違った発音が多いことに気づくはすだ(方言で話すが自分ではそうと気づかないように)。もちろん、間違って発音している部分を集中的に反復して聞き、それを直していくことが大切。再び録音して比べてみると、その進歩の度合いに自分で驚くはずである。

 

5 まとめ

 

 この第ニステップは第一ステップで聞き終えたテープだけを使って行う。聞き取りの終わっていないテープや新しいテープを使ってはいけない。また第一ステップを省いて第ニステップから始めてもいけない。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より 

舌が英語を記憶するまで囗になじませる

 

 Kはしばらく、私の言葉について考えているようだったが、やがて話を前に進めた。「それから、英語が『完全に囗になじむ』までというのも、そこに出てくる言葉を全部覚えるまでという意味とは、当然、違うんでしょうね?」

 

 「違うね。結果としてそうなるかもしれないが、重要なのは、英語の音が『囗になじむ』ということ。舌が音を記憶してしまうという段階だね。暗記というのは頭ですることだが、この場合は舌ですることさ。テープの音声どおりに自分の舌で再生でき、その音に耳が慣れ、舌が慣れて、いちいち書き取った言葉を見なくても、流暢に自分の囗から英語が流れ出てくる、そのことが自分で認識できる状態、それが英語が完全に囗になじんだ状態だ」

 

 「舌が英語を話すということが、まだ実感としてわかりませんが、そうなればどんなに素晴らしいでしょうね」

 

 「信念をもちなさい。『ほんとうにできるんだろうか』ではなく、『ほんとうにそうなるのだ』という信念。でも、『できなければできるまで』とか『やればできる』などという軍隊式の発想でやみくもにやっても、成功することは少ないよ。成功には、冷静な頭と熱い心の二つが必要だということさ」

 

 「それプラス、正しい方法論、でしょう? むやみに英語の辞書、それも英韓辞典を丸暗記したり、アメリカ大統領の演説を完璧に暗唱したりしても、役に立たないということですね。熱い心がけで英語を勉強しても、めざす目的地にはたどり着けない……」

 

 「そうだよ。それを考えると、じつに残念で、腹立たしくさえあるね。私か大学の受験勉強をしていたころを振り返っても、ほんとうに惜しい時間を浪費したものだと思う。英語の受験に備えて、ありとあらゆる読解問題を解いていく。文章によってはわからない単語が半分以上もあり、その意味を書き足して紙をまっ黒にしながら、徹夜で頭に詰め込む。だけど、そんな思いで覚えた単語のばとんどは受験がすむと忘れてしまったし、いまでは、そのとき覚えた単語の四分の一も使っていないのに、英語の達人とまで呼ばれるんだ。バカバカしいと思わないかい?」

 

 「英語の凡人には、もっとバカバカしい話ですよ」

 

 「どうしてそんな愚かなやり方をいまでも続けているのか、不思議だよ。さらに嘆かわしいのは、そんな方法が植民地時代に与えられたものだということだ。その当時のことをモデルにした小説には、英語の辞書をIページ覚えると、それを破りとって食べてしまうというエピソードが出てくる。実際、私の学生時代にも、そういうのがいたよ。それを英語習得のいい方法だと考えていたのなら、韓国のむかしの文教部から現在の教育部にいたるまで、外国語担当の役人などというのは、むかしもいまも、じつに度しがたい人間といわなくちゃならない」

 

 「お役人気質って時代を超えて不変ですね。前例に従って、無事無難に勤め上げることをモットーにしている」

 

 「本題からそれてしまったね。話を戻そう。要するに、言葉は生きていなくてはいけないということ。本や頭の中に閉じ込められた状態のままでは、絶対に舌の先から生きた言葉は生まれてこない。音の高低、強弱、長短などを木来のまま舌に刻みつけ、本来のまま舌から発せられてこそ、はじめて言葉が生命あるものになるんだ」

 

 「刻みつけるという言葉を肝に銘じておきます。そろそろ帰らなくちや」

 

 「正しいノウハウを熱い心でやってみることだね。これから、どんどんおもしろくなっていくはずだよ」

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より